東京商工会議所様の主催による入社1年目からの数字力強化研修。
本年はリアルとオンラインで2度、お手伝いをさせていただきました。
ありがとうございます。
入社1年目向けの案件、そろそろ世の中的にも落ち着いてくる頃でしょうか。
この業界の人はみんな口を揃えることですが、新人の4月と5月は別人です。
本日登壇した案件は5月ということで、新人も(少し)しっかりした様子。
加えて入社1年目以外の中堅ビジネスパーソンも多数参加。
学ぶ意欲ある皆様にライブ(研修)を提供することは楽しくて仕方がありません。
本日も「天職」を楽しんで参りました。
研修の内容は「いつも通り」ですので、ご興味ある企業様はぜひこちらで味見をしていただければと思います。
【eラーニング研修】入社1年目からの数字力強化プログラム(新入社員〜若手)
https://business-mathematics.com/seminar/70
さて、今日の記事は「数字」ではなく他の文脈を選びたいと思います。
特に研修講師をされている方、教育や人材育成に関心のある方、企業の人事研修担当者はお役に立てるかもしれません。(立てないかもしれません)
よろしければどうぞ。
私の入社1年目向けのプログラム。
演題は「数字力」ですが、テーマは「話す」です。
ちょっとなにを言っているか分かりませんか。
演題は数字力。
テーマは話す。
このプログラムはあくまでビジネスで必要となる数字の知識や数学的なデータの料理の仕方を学ぶ研修です。
演題は「数字力」とは当然のことでしょう。
しかし内容の本質はそこではありません。
いかに講師と話すか、に設計しています。
そもそも入社1年目にビジネスにおける数字の話をしたところで、それが実感を伴った理解になるはずがありません。
(入社1年目はまだ真面目で素直な方が多いのでちゃんと聴いてくれますが)
ですからテキストに書かれている内容を理解することよりも、いかに「数字」以外のテーマで講師と有益な対話をしたかが重要なのです。
それがこの研修を深沢講師が担当することの意味ですから。
積極的に講師に話しかけなさい。
自分にメリットのある対話を講師に仕掛けなさい。
数字、以外のところに本質があるよ。
そんな提案をすることで、入社1年目はこの日の研修の本質を理解します。
さて。
午前中の研修が終わり、ランチブレイクに入る時のことです。
次のようなコメントが参加者の数名から私にダイレクトメッセージで届きました。
普通の研修講師なら、このようなメッセージを貰えば嬉しいと思うことでしょう。
そして心の中でこう思うはずです。
「よしよし、爽やかでいいね♪」
「挨拶やお礼がちゃんと言えることはいいことだな^^」
「こういう子たちのために研修を頑張ってあげようᕦ(ò_óˇ)ᕤ」
私も人間です。
もちろん嬉しいという感情はあります。
彼らの行動はしないよりは遥かに「Good」であり、拍手をしたいと思います。
しかし、心が荒んでいる(?)私はこのチャットコメントを見てすぐにピンときました。
そしてコメントをしてきたメンバーのプロフィールを確認します。
案の定、このメンバーたちにはある共通点がありました。
同じ会社から派遣されて参加した方々であるということです。
つまり、彼らは入社した会社において「しっかり教育されている」ということです。
講師の先生にはしっかり挨拶しなさい。
御礼を伝えなさい。
そんな教育を受けているのでしょう。
もちろんそれは素晴らしいことです。
繰り返しですが、彼らの行動はしないよりは遥かに「Good」であり、拍手をしたいと思います。
しかし、、、、
惜しいなぁ
と私は思うのです。
なぜなら、このご挨拶は爽やかで素敵であると同時に、「なにも考えていない」ことも見事に露呈しているからです。
これらのコメント。
せっかくいただいたわけですから、講師である私もダイレクトメッセージで御礼をお伝えするわけです。
でもその内容は…こう返事するしかありません。
メッセージありがとうございます。
午後も頑張っていきましょう!
なんと薄っぺらいメッセージでしょうか(苦笑)
そうなんです。
薄っぺらいメッセージを投げられたら、薄っぺらいメッセージが返ってくるだけです。
積極的に講師に話しかけなさい。
自分にメリットのある対話を講師に仕掛けなさい。
私はこの日の研修冒頭、入社1年目の彼らにこう伝えました。
果たして上記のやりとりは、彼らにとってメリットのある対話だったのでしょうか。
もう少し考えて、午前中の研修内容から何かを抽出し、具体的なメッセージを投げることができたら、講師である私も具体的な何かをお返ししたでしょう。
メリットのある対話になったはずです。
実はこの日の研修中、具体的な質問や感想を述べた方には私からも具体的なコメントや回答を差し上げました。
逆に表層的な感想を述べるだけの方には、こちらも「ぜひそこを意識して頑張ってくださいね」と表層的なコメントを返すだけです。
私のあの薄っぺらい返事にそんなメッセージが込められていることを、彼らはキャッチできたのでしょうか。
していただけていたらいいのですがね。
入社1年目。
差なんてほとんどありません。
ちょっとしたところの違いなんですよね。
でもそのちょっとしたところの違いは、1年、3年、10年経つと途轍もない差になって露呈します。
人を育成する立場は、そこを教えてあげる必要があります。
そろそろまとめましょうか。
本日の演題はあくまで「数字力」でした。
しかしテーマは「話す」です。
結局この日も、私といちばん話した参加者が、いちばん得るものがあったはずです。
若者のコミュニケーション力の低下を嘆く論調もよく耳にします。
コミュニケーション力の低下を問題提起的するだけではなく、できない人を見捨てるのではなく、リカバリーできる機会は誰でも均等に与えられる世の中であって欲しいですね。
最後に、僭越ながら持論を。
いい教育者とは、その仕事の現場において「表面上の演題」と「裏のテーマ」というものを持つものです。
あくまで持論ですが、私はかなりど真ん中の話だと思っています。
この記事をお読みくださった研修講師をされている方、教育や人材育成に関心のある方、企業の人事研修担当の方。
ご感想などあればお聞かせいただけますと嬉しいです。
そしてお互い、あるいは一緒に、いい教育をしていきましょう。
私も頑張ります!
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