トップ > 【活動報告】数学とは説明である　〜株式会社ニチレイ・オンライン講演会〜

指導実績の共有です。
企業のマネジメントや人材育成担当者は参考にしていただければと思います。

先日は株式会社ニチレイさんにうかがい、社内のオンライン講演会にスピーカーとして登壇してまいりました。同社の講演会に登壇させていただくのは２度目ということで、大変ありがたい機会をいただき感謝しております。

いつも申し上げることですが、研修講師やコンサルタントは現場に立って生の経験をすることでしか学ぶことができません。貴重な学びの機会をいただけることにも感謝です。（もちろんプロとして学びを提供する側なのはいうまでもなく）

さて、今回のテーマはコミュニケーション。
特に「わかりやすい説明術」をテーマとしました。

【演題】説明上手な人がやっている「数学的な話し方」

新刊『「数学的」話し方トレーニング』リリースもあり、昨今はこのテーマのご相談が一気に増えました。著名人の具体的な話し方の事例も盛り込んでおり、気負わず楽しく聴けることも理由でしょうか。

ふつう、数学という文脈でのスキルアップや学習を提供するベンダーさんは、「思考」「分析」「AI」「DX」といった色のコンテンツを開発することでしょう。もちろんそれらは大事なものでありビジネス教育において価値もあると思います。

しかし今回の私が開発したコンテンツ「数学的な話し方」は、ビジネスコミュニケーションの話です。世界中をくまなく探したわけではありませんから断言はできませんが、数学とビジネスコミュニケーションを統合して体型立て、ビジネススキル研修として開発した事例は他にはないのではないでしょうか。（あったら申し訳ありません。素晴らしいことであり心からリスペクトいたします）

それだけ珍しいものであること、他の講師では話せないものであることが、今回ニチレイ様がこのテーマをお選びいただいた理由かもしれません。

少しだけ内容に触れます。

数学とは思考である。

この１行に疑問を持つ方は少ないのではないでしょうか。
実はこの１行は、２行に分解できます。（←これもまた数学的な思考ですが）

①数学とは説明である。

②説明とは思考である。

①が、なぜビジネス数学教育家が説明術を論じれるのかの答えです。
②が、数学的思考を身につけることでビジネスコミュニケーションの質が劇的にUPすることの根拠です。
詳しいことは講演を聴講した方には十分すぎるほど伝わっていることでしょう。
この日も私はいつものようにこの言葉を参加者の皆様にお伝えしています。

忙しいビジネスパーソンが、今から数学を勉強する必要はありません。（ただし専門性が必要な人は学ぶべきではありますが）
今の仕事の成果に直結することだけ身につければいい。
それは「数学的な動作」です。
数学のように考える。
数学のように説明する。
数学のように仕事をする。
数学は知らなくても、それだけは身につけておいて損はないと思います。

ニチレイの皆様にも、きっとこのことが伝わったと思います。
講演の終了直前、参加者から「構造化」「モデル化」についてぜひ詳しく聞きたいとコメントがありました。「構造化」「モデル化」はこの日の講演では時間的に盛り込むことが難しく、省いたトピックスでもあります。でもあのような内容なら、それは当然聴きたいと思いますよね・・・（苦笑＆謝）

今日の機会を通じて「構造化」「モデル化」に関心を持ってくださった方がいたことは教育的観点でとてもいいことです。私が提供した講演などをきっかけに、もっと先のことや専門的なことに興味を持っていただけたら、それはそれで素晴らしいことだと思います。そういう意味で、私のしているビジネス数学という活動領域は多くのビジネスパーソンに「入口のさらに入口」や「観たことのない景色を少し覗き見れる機会」を提供していることなのかもしれません。難しいことを難しく学ぶ教育も素晴らしいですが、まず興味を持ってもらうための教育も世の中には必要です。頑張ります。

ニチレイの皆様におかれましては今回も大変お世話になりました。終了後は、参加者にプレゼントされるとのことで新刊『「数学的」話し方トレーニング』にサイン入れ。ご担当者様と記念撮影。セミナーをはじめとする人材育成という仕事の企画はとても難しいお仕事ですが、一方でそれを期待し求めている前向きな従業員の皆様も確実にいらっしゃいます。そんな皆様は会社にとって貴重な戦力になる存在だと思います。ぜひ続けてあげて欲しいと外部の人間が勝手に思っております。