深沢真太郎のひとりごとblog 

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人材育成と人材開発の違い

 

同じような意味で使っている言葉ってたくさんあるような気がします。

 

たとえば「教える」と「指導する」は同じ意味でしょうか。

私は違うと思っています。

「教える」はまさに教えればそれで終了です。

相手が理解していようがいまいが、その後に実践できていようがいまいが、関係ありません。

一方、「指導する」とはまさに導くことです。

ゴールが存在し、スタートラインからそのゴールまで導いてあげること。

つまり人を移動させてあげなければならない。

「教える」と「指導する」はまったく違う。

もちろん「指導する」の方が難易度が高い。そう思っています。

 

では本題。

人材育成と人材開発の違いってなんだろう。

ふとそんなことを考えてみました。

いわゆるHRに関与しているビジネスパーソンでもなければ、こんなことは「どうでもいい」ことでしょう。

ですからこの記事も「どうでもいい」と感じる方はここで離れていただいて結構です。(貴重な時間ですので興味のある方だけ読んでくださいね、という意味です)

 

人材育成と人材開発の違い。

少しネットで調べてみれば、それっぽい答えはいろいろと見つかります。

それはそれで答えだし、その内容で納得する人はもちろんそれでOKです。

私は私なりに考えてみた、的なノリだと思っていただけると幸いです。

 

なぜこのような問いを思いついたか。

じっくり説明をしていきます。

 

私のような企業への教育サービス提供側は「人材育成」という表現を使うことが多いように思います。(そんなことないよというご意見もあることでしょうけど)

事実、私もこれまで(あまり意識することなく)人材育成という言葉を使っていました。

なぜ人材育成という言葉を使っていたのか。

正直に申し上げれば、おそらく私は「育成することが仕事」だと思っていたからでしょう。

 

育成は大事だ。

しかし企業側は自分たちで育成ができない。

だから育成をサポートする者が必要だ。

 

・・・とそんな感じです。

同じように思っていらっしゃる研修講師や研修会社の方も多いのではないでしょうか。

しかし一方で、ふと思い返してみるとこれまで私が研修を提供してきた企業の担当者の名刺にはどんな表現が記されていたかというと、、、、

 

人材開発部

人材開発課

人材開発担当

 

 

・・・・あれ?

「人材育成部」じゃない。

そこで先程の問いが浮かんだのです。

人材育成と人材開発の違いってなんだろう。

同じように使っていたし、「実際は同じ意味で使われています」という結論でもおそらく問題ない話でしょう。

しかしちょっとだけ引っかかる。

奥歯にものが挟まったような、何かちょっとスッキリしない。

そんな感覚。

 

なぜ(少なくともこれまで私がご縁をいただいた)企業側の組織名や担当者の呼称は「人材開発」だったのか。

5分ほど考えてみた。

結論はこうです。

 

私のような立場は「育成すること」が仕事だと思っています。

しかし企業側は「開発すること」が仕事だからです。

開発とは「生み出す」といったニュアンスのある言葉です。

システム開発。土地開発。店舗開発。

どれも新たなものを生み出すというニュアンスで使われます。

 

育成は手段。開発は目的あるいはゴール。

 

そんな整理が浮かびました。

企業側は「開発すること」が仕事。

戦力となる人材を生み出してはじめて仕事をしたと言える。

最終的に開発が実現できるのなら、極論ですが育成などする必要はない。

そういうことではないでしょうか。

 

よく手段の目的化という言葉を使います。

そういうことは良くないという文脈で使われます。

例えば会議は手段であり目的は意思決定や情報共有です。

しかし現実は会議を開催することが目的になってしまっているケースも多々ある。

もちろん悪い意味で。

 

今回の「人材育成と人材開発」の話は、まさにこの手段の目的化に陥っている話だなと思いました。

「育成」は手段であり、目的は「開発」である。

つまり「人材育成」は手段であり、あくまで目的は「人材開発」であろうと。

だから企業の組織名には人材開発という言葉が用いられるのだろうなと勝手に解釈し、勝手に納得をした自分がいます。

 

つまりは単純にいうと、私はちょっと自分を反省したということです。

自分の専門分野において、いつの間にか手段の目的化に陥っていたからです。

いかんいかん。

私は普段の活動において、人材開発のサポートができているだろうか。

ひょっとすると、人材育成のサポートをして満足してはいないだろうか。

いかんいかん。

 

この記事を読んでくださった方への結論やオチのようなものはまったく用意していません。

この内容が正解ということでもありません。

私のひとりごとに最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

 

余談ですが、世の中には同じような意味で使っている言葉ってたくさんあるような気がします。

その言葉を並べ、本来はどんな意味があり、それらはどう違うのだろうと考えてみることは思考トレーニングや知的な遊びとしてオススメです。

わかっているようでわかっていないこと。

意味を知らずに使っている言葉。

知らないうちに思考停止になっていること。

実はたくさんあるように思います。

 

 

 

 

 

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