先日、某大手メガバンクの研修にてこのような趣旨のご質問をいただきました。
「問題解決という仕事において、因果関係を特定する必要はないのか?」
少し説明が必要でしょう。
例えば次のような事実がデータで存在するとしましょう。
>売れている書籍ほどその内容に副詞が少ない
つまり書籍の売れ行きという数字と文章の副詞の数には負の相関関係があるという事実です。
しかしこれは「副詞の数を減らせばその書籍は売れる」を保証するものではありません。
因果関係になっているかどうかははっきりわかりません。
その可能性がある、そのような仮説が成り立つ、までです。
このような場面で、学問や研究者の立場ならおそらくこのように思うでしょう。
「因果関係が成り立つのかを証明しなければならない」
確かにその通りです。
しかし一般的なビジネスパーソンであれば、そのような仕事は要らないと私は思っています。
ここは専門家によっては考え方が違うかもしれない部分です。
あくまでビジネスパーソンの教育や訓練という観点での持論です。
重要なのは「学問や研究者の立場なら」という前提です。
シンプルに言えば、彼らは解き明かすことが仕事です。
言い方を変えれば、解き明かすためにはどれだけ時間やコストをかけても構わない立場です。
しかしビジネスパーソンは違います。
今すぐにでも実務で成果をあげ、お金を生むことが仕事です。
ビジネスにおける事象は、それは複雑な構造で起こっています。
売上が下がっているという事象の原因はたった1つなのでしょうか。
いくつもの要因が複合的に絡み合って起こっているものではないでしょうか。
学問や研究者の立場ならその複雑なパズルを解き明かしてみるのもいいでしょう。
それにどれだけ時間やコストをかけても許されます。
しかしビジネスパーソンは住んでいる世界が違います。
「因果関係をはっきりさせたいのでその分析に3日ください」
スピードと行動が求められる彼らに、このような主張は認められません。
現実はそんなにキレイに、緻密に、仕事は進みません。
100%の答えはないけれど50%の答えで仮説を作りまずは施策を実行することが求められます。
繰り返しですが、ビジネスにおける事象はそれは複雑な構造で起こっています。
しかしその複雑なものを、私たちビジネスパーソンは解き明かす必要があるのでしょうか。
私は「NO」の立場をとっています。
売れる書籍を作りたければ、まずは副詞の数を減らして書籍の編集をする。
それで反応や結果を見て、良いものであればそれを継続し成果を得る。
期待する結果でなければまた違う仮説を立ててすぐに施策を実行する。
それで反応や結果を見て、良いものであればそれを継続し成果を得る。
・・・・・・・
ビジネスパーソンが時間やコストをかけるのは「解明」ではなく「施策」。
ここを明確にして指導するのが私の提唱しているビジネス数学です。
いわゆる理系出身者などはどうしても「施策」より「解明」を仕事だと思ってしまう傾向があります。
私も本来はそっちの人種ですから、その気持ちはよくわかります。
でもそれは(極論と言われるかもしれませんが)ビジネスの世界では仕事をしていることになりません。
皆様の職場には、「施策」より「解明」を仕事だと思ってしまう人はいないでしょうか。
データの中に正解はなく、実行した結果の中に正解はあります。
ぜひ指導してあげて欲しいなと思います。
この記事を書いていて、稲盛和夫さんのあの言葉が浮かびました。
バカな奴は単純なことを複雑に考える。
普通の奴は複雑なことを複雑に考える。
賢い奴は複雑なことを単純に考える。
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深沢真太郎
ビジネス数学教育家。 数字に強いビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、述べ1万人以上を指導してきた社会人教育のプロフェッショナル。日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。予備校講師から外資系企業の管理職などを経て研修講師として独立。大手企業・プロ野球球団・トップアスリートなどの教育研修を手がけ、一部企業とはアドバイザリー契約を締結し人材開発のサポートを行っている。2018年に国内唯一のビジネス数学エグゼクティブインストラクター(公益財団法人日本数学検定協会認定)に就任し指導者ライセンス「ビジネス数学インストラクター制度」を設立。さらに2022年には人材育成に従事する人のための「ビジネス教育大学」を設立し教授として指導者育成に従事している。テレビ番組の監修やラジオ番組のニュースコメンテーターなどメディア出演も多数。著作は国内累計25万部超。実用書のほか作家として小説も発表しており、多くのビジネスパーソンに読まれている。
BMコンサルティング株式会社 代表取締役
一般社団法人日本ビジネス数学協会 代表理事
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者
国内唯一のビジネス数学エグゼクティブインストラクター
ビジネス教育大学教授
ビジネス×数学×教育/数学≠ビジネス数学/SNSはひとりごと/意見や評価は求めていない/正式なお問い合わせやご相談のみ公式WEBサイトからどうぞ #研修講師#人材育成#ビジネス数学
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